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入院された患者さんの栄養状態はひとりひとり千差万別です。必要とする栄養はどれくらいか、どのようにして栄養をとるのかは、患者さんや病気によって異なっています。栄養状態が悪いと治る病気も治らず、また余計な合併症を引き起こす元になります。そこで、個々の患者さんや病気に応じて適切な栄養管理を行う栄養サポート(Nutrition Support)が必要となってきます。これを実施するには関連する多職種の共同作業が不可欠です。医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、言語聴覚士、臨床検査技士、事務職員などの多職種が一致団結して、この栄養サポートを実践する集団が栄養サポートチーム(Nutrition Support Team:NST)です。 |
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当院は神戸市営地下鉄西神山手線西神中央駅から徒歩3分の場所にある一般病棟400床、結核病棟100床の急性期・地域中核病院で、2010年度は平均外来数1792人/日、平均在院日数は11.3日(一般病棟)、平均救急外来受診患者数は77人/日を数えました。このような多忙な病院の中でも、栄養療法が大切であることを理解してNSTが活動を続けています。2010年度にNSTが回診を実施した患者さんの数は年間247人でした。 |
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2002年の11月に有志が集まってできたPEG/PTEGサポートチームが土台となって、2004年にNST勉強会ができました。2005年4月に正式にNSTとして活動を開始し、2006年にNST稼働施設として認定されました。2007年からは日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)のNST専門療法士実地修練認定教育施設として他施設からの研修生の方を受け入れ、ともに高め合えるようにしています。 |
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NSTは院長直属の組織として存在しています。医師19名、歯科医師1名、看護師34名、薬剤師6名、管理栄養士7名、言語聴覚士4名、歯科衛生士2名、臨床検査技士2名、臨床工学技士1名、事務職員2名の計 78名(2011年度)のメンバーから構成されています。
また、研修医の臨床教育において栄養療法が極めて重要であることを認識し、研修医にはNST回診、NSTミーティングにできる限り参加することを推奨しています。 |
| 1. |
回診 |
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入院時に患者さんの栄養状態を的確に評価し、栄養不良をきたしている場合にはどのようにして栄養状態を良くしていけばよいか計画を立てます。特に病気のために口から十分に栄養がとれない場合には、食事の内容を変更することや、栄養をとる方法を静脈栄養(点滴)や経腸栄養(栄養剤)に変更することを主治医に提案します。これら栄養不良の患者さんに対して、週に1回NSTのメンバーが集まって定期回診を行い、チーム全体でどのような栄養療法が必要かを検討しています。回診患者さんの数には増減がありますが、2010年度は1週間に平均22人の患者さんの回診を行いました。 |
| 2. |
ミーティング |
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第1、第3水曜日に約1時間のミーティングを行い、栄養療法に関する勉強会や症例検討会を行っています。また月に1回NST小委員会を実施し、NST全体の方針や問題点を検討しています。 |
| 3. |
コンサルト |
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主治医はいつでも栄養療法に関する相談を行うことができ、NSTメンバーは状態に応じて早急に対応しています。 |
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回診の工夫 |
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当院ではひとりひとりの回診時間を十分に確保することを目的に、回診グループを4グループに分けています。各グループが担当病棟をもち、それぞれに医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、言語聴覚士がいて十分な対応が可能となるようにしています。 |
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ミーティングの工夫 |
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(1) 各種内容の組み合わせ
栄養療法の基礎を学ぶ『プライマリートレーニング』、疾患別の栄養療法について症例を通じて学ぶ『病態別グループワーク』、摂食・嚥下障害患者さんの機能評価やリハビリの方法を学ぶ『摂食機能療法実践』、病棟や職種ごとに回診で苦労した症例について検討する『症例検討会』、そして、専門的な知識をもって、より高いレベル・新しい考え方を取り入れ、全体に反映することを検討する『NST内チームミーティング』があり(図1)、年間計画を立てて実施しています。 |
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(2) 『西神戸医療センター栄養療法士』の認定試験制度
ミーティングに参加すると、参加証に印を押していきそれがたまると、『西神戸医療センター栄養療法士』の認定試験(図2)を受験することができます。この資格は病院長が認定する院内の資格ですが、この資格をとるために勉強することが、若手医師にとっては栄養療法を学ぶ上での基礎固めとなり、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、言語聴覚士らにとっては、日本静脈経腸栄養学会のNST専門療法士を受験するきっかけになることを期待しています。
認定試験はこれまでに4回実施され、計31名が合格しております。合格者には認定証と認定バッジが送られます。合格者からは「非常に勉強になった」「知識の整理になった」「苦手な領域がよくわかった」などの声が寄せられています。 |
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栄養療法は日進月歩で、常に新しい知識を修得しNST活動に反映していく必要があります。それを担っているのが「NST内チーム」です。現在、『経管栄養チーム』『摂食・嚥下障害チーム』『静脈栄養チーム』『地域連携チーム』『広報チーム』の5チームがあります。 |
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『経管栄養チーム』『摂食・嚥下障害チーム』『静脈栄養チーム』は、「3大NST内チーム」と呼ばれ、それぞれの「NSTマニュアル」(図3)を作成、改訂することが大きな仕事となっています。『経管栄養チーム』と『静脈栄養チーム』では新製品の評価・導入を行い、『摂食・嚥下障害チーム』ではより効率的に摂食・嚥下の機能評価や嚥下のリハビリテーションが行われるようなシステム作りが行われています。 |
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『地域連携チーム』では「西神戸NSTオープンカンファレンス」(図4)の実施や「NST紹介状」の活用について検討されています。 |
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『広報チーム』では2か月に一度のペースでNST新聞が発行されています。
さらに現在『化学療法・緩和栄養チーム』の新設が検討され、必要性に応じた対応を続けています。 |
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当院では日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)のNST専門療法士実地修練認定教育施設であり、これまでに年に2回ずつ計10回、のべ39名の研修生の方を受け入れて40時間の実地修練を行ってきました。当院で実習して頂いた方がたくさんNST専門療法士になって頂いているとともに、毎回、私たちも多くの刺激を受けています。 |
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メンバーの知識や技能の向上を目指して、積極的に学会発表を行っています。2010年度はNSTにとっては大きな学会である『日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)』で要望演題2題、一般演題7題(口演1題、ポスター6題)の計9題を発表しました(図5)。 |
西神戸医療センター
〒651-2273 神戸市西区糀台5丁目7番地1
TEL:078-997-2200(代表)/ FAX:078-997-2220 |
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