
院長 片山和明
当院は、平成6年8月1日に人口増加の著しい神戸西地域の中核病院として高度医療、救急医療、結核医療を担う目的で開設されました。設立母体は神戸市と神戸市医師会の共同出資による神戸市地域医療振興財団で、第三セクターという方式で運営されています。当初より地域との連携を重視し、全国に先がけて地域医療室を整備し、地域の診療所や病院との密接な連携を心掛けています。
今年の夏で開院満18年になりますが、この間、社会の変化とともに、医療の世界でもその内容が大きく変わりました。これには疾患の原因や病態の解明、新しい薬の開発、医療機器の進歩、医療制度の改革などが深く関わっています。当院でも、それぞれの領域に優れた専門家がおり、常に最新の情報を取り入れ、知識の集積とともに技量の向上を心掛け、日常の診療に活かしています。
例えば、癌の化学療法ひとつをとってみても、以前はほとんどの場合入院の上、強い副作用と戦いながらの治療でしたが、今日では大半を外来の専門施設でできるようになり、非常につらかった副作用も比較的楽なものになっています。また、外科系の診療科では、いずれも内視鏡手術を積極的に取り入れ、小さな侵襲で多くの手術が完遂できるようになっています。
患者さんと医療者の関係も大きく変わってきました。かつては治療の方針は概ね医師まかせで、患者さんが自分の意思を強く主張されることは稀でした。また、医師の方も自分の治療方針以外に他の選択肢を提示してそのメリット、デメリットなどを説明するようなことはあまりありませんでした。しかし、平成9年の医療法の改正や平成11年に横浜で起こった患者取り違え事件に代表される医療不信などがきっかけになり、今日では適切な説明を行って患者さんの理解と同意を得るインフォームド・コンセントが当然のこととして求められています。こういった医療環境の変化に対応するため当院でも医療安全対策室を設置し、患者さんとの信頼関係の構築、向上に日々努力をつづけています。
近年の医療の特徴はチーム医療にあるともいえます。これは入院患者さんひとりを診療するにしても、担当の医師と看護師だけが関与するのではなく、医師、看護師、薬剤師、栄養士などがチームとして患者さんをいろいろな角度から支えつつ、みんなの意見を集約して診療にのぞむというものです。必要に応じて専門外診療科の医師の応援を求めることはもちろんのことですが、当院には多職種から構成されるNST(栄養サポートチーム)、ICT(感染制御チーム)、緩和ケアチームなどがあり、病状に応じてこれらのチームに助言や応援を要請することもできます。
今日の病院は、行政的にその機能により急性期病院と療養型病院に区分されており、それぞれの病院がその機能に応じた患者さんの入院を受け持つことになっています。当院は前者の急性期病院であって、救急を含む発症直後の治療や手術などを受け持っています。疾病によって異なりますが、症状が安定してくると地域の診療所やリハビリあるいは療養を目的とした病院にその後の診療をお願いすることになります。この連携を円滑に進めるため、地域医療室の専門の職員が患者さんや家族の意向、そしてお願いをする医療施設の要望等を詳しくお聞きし、それを退院や転院に反映するようにしています。
このように、当院では地域の基幹病院として地域住民の皆様の生命と健康を守るため、それぞれの領域の専門家が、日々研鑽を積みその役割を果たすべく努力しておりますので、何卒よろしくご支援をお願い致します。 |